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口内ケアでインフル退治
小学校や病院で取り組み拡大
インフルエンザ予防には口内ケアが有効との考えが広がり、学校や病院、企業が口内ケアへの取り組みを活性化させている。
各地の学校や病院では、歯磨きなどで口内の細菌の活動を抑え、インフルエンザ感染を防ごうとする活動を実施。
一方、口内ケアによるインフルエンザ対策市場への参入を模索する企業も出てきた。
うがいや手洗い、予防接種など従来の対策に口内ケアを組み合わせれば、インフルエンザはもう怖くない?(小野田雄一 記者)
○学級閉鎖が減る
東京都杉並区は、今夏、区立小学校5校に洗面台を増設した。
インフルエンザシーズンに備え、歯磨きしやすい環境を整えるためだ。
この試みは、“成功体験”に基いている。
杉並区は昨年も区立小2校に洗面台を増設、歯磨きを促進する活動を行った。
その結果、インフルエンザによる学級閉鎖率(全クラス数に対する学級閉鎖になったクラスの延べ数の割合)がこの2校は平均45%にとどまった。
他の41校は同71.6%だった。
杉並区は「歯磨き促進とインフルエンザ減少の因果関係は実証されていないが、一定の効果はあると考えている」とし、今後も残る区立小への増設を進る方針という。
高齢者向け施設でも同様の試みが行われている。
愛媛県の病院「久保内科循環器科」(大洲市)は昨年から、デイケア利用者と入院患者を対象に口内ケアを取り入れた。
同病院は「インフルエンザや肺炎の予防につながってほしい」と期待を込める。
こうした口内ケアを推進する取り込みは近年、全国の学校や介護施設で一般的になってきており、今後も拡大していく見通しだ。
○次亜塩素酸水
口内ケアによるインフルエンザ対策市場への参入を狙う企業も現れた。
「パーフェクトペリオ」(栃木県小山市)は同社の歯科治療向け機能水「パーフェクトペリオ」のインフルエンザ対策への活用を試みる。
強い殺菌力を持ち、消毒や食品添加物に利用される「次亜塩素酸水」を口内治療用に精製したものだ。
11月8日に徳島県で開かれた「日本ウイルス学会」では、この製品の殺菌力に注目した東京医科歯科大の研究チームが、インフルエンザウイルスに対する不活性化を培養細胞で
調査した結果を報告した。
報告によると、口内治療向けの濃度(200ppm)では、A型インフルエンザウイルスが10秒で99%以上死滅した。
濃度30%のエタノールでは同様の効果を得るまでに60秒かかったという。
研究チームの山岡昇司教授(ウイルス制御学)は「臨床研究が今後必要だが、人間の感染予防にも効果は期待できるだろう」。
同社の野口宗則社長も「虫歯菌と歯周病菌の殺菌用に開発した製品だったので、ウイルスにも効果が出たと聞いたときは驚いた。今後はインフルエンザなどの感染症対策市場にも進出したい」と意気込む。
インフルエンザの通常の予防対策に加え、歯磨きの回数を増やしたり、口内殺菌薬を活用したりして、予防力を高める心掛けも必要なようだ。
○細菌減少→感染予防に効果
口内ケアがインフルエンザ対策に有効との認識が広まったきっかけは、平成18年に東京歯科大の奥田克爾教授(当時)=口腔細菌学=らが発表した論文「口内ケアによる細菌性酵素活性の減少とインフルエンザの感染予防」だ。
介護施設の高齢者を対象に、口内ケアを実施した98人と、実施しない92人のインフルエンザ発症を調査。
後者の発症が9人だったのに対し、前者の発症は1人だけだった。
口やのどに存在するプロテアーゼやノイラミニダーゼなどの酵素を生産する。
プロテアーゼは口やのどの粘膜を守る層を破壊し、ウイルス感染しやすくする。
ノイラミニダーゼはウイルスの細胞から細胞への感染を助長する。
口内ケアでこれらの酵素を生産する細菌を減らすことができるという。
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